本だけがお友達

友達が極端に少ないわたしの、本との交流履歴です。

「木洩れ日に泳ぐ魚」 恩田陸

木洩れ日に泳ぐ魚木洩れ日に泳ぐ魚
(2007/07)
恩田 陸

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 僕たちは笑う。
 カメラに向かって。将来この写真を見る自分たちに向って。決して自分の過去が悪いものではなかったと自分に言い聞かせるために。カメラに向かって笑う僕たちは、未来の僕たちと常に共犯関係にある。

                        恩田陸 「木洩れ日に泳ぐ魚」


 久々に恩田陸さんの作品を読みました。
 読ませるのが本当に上手いです。
 小出しにされる謎を追いかけていると、もう途中で止めることなんてできません。
 登場人物はたったの二人。
 明日別れる男女が最後の夜を過ごす。
 二人の視点で交互に描かれ物語が進んでいくのですが、微妙な関係の男女の緊張感、腹の探り合いがドキドキです。
 そこにさらに二人の過去も加わり――
 恩田陸さんの作品は、なんかホラーなんですよね(笑)
 一般的な推理小説とは違うので、消化不良になるかたもいるかもしれませんが、わたしはこういった感じも大好きですね。


「ちまっと台湾」 浅見顕祐

ちまっと台湾ちまっと台湾
(2001/10)
浅見 顕祐

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 僕の旅のスタイルは、「大陸横断」、「前人未踏の地を行く」などといった大冒険でも、「究極の極貧旅行」、「ヒッチハイク」などといった気合いの入った旅でもない。かと言って、「観光地で写真パチリのツアー旅行」でもなければ、「リッチなリゾート旅行」でもない。
 僕はそんな誰にでもできそうな、自分の旅のスタイルを、「庶民派ちまっと旅」と呼んでいる。

                         浅見顕祐 「ちまっと台湾」


 今日からわたしの勤める会社はゴールデンウィークに突入。
 なんと10日間も休みが。
 しかし派遣社員、つまり時給制のわたしの心境は複雑です。
 旅行へいきたいところですが、貯金は前回の旅行で底を尽きてしまいました。
 しかたがいないので気分だけでもと、図書館で旅行記を借りてきて一日中読んでいたのですが――
 よけいに旅行への思いが募るばかりですね。
 本書は浅見さんが台湾を反時計回りで一周した記録です。
 とても平凡な旅行なのですが、だからこそ自分の旅行を振り返りウンウン頷いてしまいました。
 いろんなことを思い出します。
 台東で知り合った小管は元気にしているかな。
 わたしと同年代の彼女は化粧気がなく元気で優しい娘さん。そして大変な読書家。わたしの部屋も書籍に占領されていますが、彼女の民宿はリビング、客室、トイレに至るまで書籍が押し寄せていました。
 毎朝原付を二人乗りして喫茶店へ向かい、夜はリビングで小管夫婦や他の宿泊客のかたと現地のお酒で談笑。
 はぁ――
 絶対また行くぞ。
 働けわたし!
 
 (読み返してみると、本の紹介が二行だけしか・・・)


「アルケミスト 夢を旅した少年」 パウロ・コエーリョ

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)
(1997/02)
パウロ コエーリョ

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 「おまえがいつもやりとげたいと思ってきたことだよ。誰でも若い時は自分の運命を知っているものなのだ。
 まだ若い頃は、すべてがはっきりしていて、すべてが可能だ。夢を見ることも、自分の人生に起こってほしいすべてのことにあこがれることも、恐れない。ところが、時がたつうちに、不思議な力が、自分の運命を実現することは不可能だと、彼らに思い込ませ始めるのだ」

            パウロ・コエーリョ 「アルケミスト 夢を旅した少年」


 この作品は、さーにんさんのサイトで紹介されていて読みたくなった一冊です。
 いましがた読み終わったのですが、読後感は複雑なものになってしまいました。
 作品の内容はいたってシンプル――
 にもかかわらず、たくさんのことを語りかけてくる一冊です。
 子供が読めば普通の冒険物語で済むのかもしれませんが、大人の反応は千差万別なものになるのではないでしょうか。
 主人公の少年が試されるたびに、わたし自身が試されているような気持になりました。
 結果、自分と対話するはめになるのですが、これが考える以上に辛かったです。
 わたしは勇気づけられた反面、不安にもなりました。
 自分が自分を疑っていること、信じきれていないことも知りました。
 でも、最終的には、それでもいいとも思ったんです。
 少年はすごいけど、わたしは少年のようになりたいわけではなくて――
 って、なんだか負け犬の遠吠えのみたいになってしまいました(笑)。

 今日の記事は、この作品を知らない方にはまったく意味がわからない感じになってしまいました。
 なので、ぜひ読んでみてください(笑)。
 この作品の解釈は、きっと自分だけのものです。

 【お勧め度 ★★★★☆】                

「ウはウミウシのウ シュノーケル偏愛旅行記」 宮田珠己

ウはウミウシのウ―シュノーケル偏愛旅行記 (白水Uブックス 1092)ウはウミウシのウ―シュノーケル偏愛旅行記 (白水Uブックス 1092)
(2007/03)
宮田 珠己

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 この本の収益の一部を
 かけがえないない世界の海とそこに棲む生き物たちを、
 わたしが見に行くために捧げたい。

           宮田珠己 「ウはウミウシのウ シュノーケル偏愛旅行記」


 今日は一風変わった紀行文の紹介です。
 紀行文というと、『深夜特急』の沢木耕太郎さんや、最近では『ガンジス河でバタフライ』がドラマにもなったたかのてるこさんのように、無鉄砲に日本を飛びだし、その先での出会いや胸躍る冒険を描いたものが一般的ですが、宮田珠己さんの旅はなんともマニアック。
 引用でもわかってもらえるように、内容はナルティシズムやセンチメンタリズムとはかけ離れています。
 この本での旅の目的は、浅瀬に棲んでいる変な形の生き物を見るというもの。
 「変な形の生き物」の基準は厳しく、宮田さん自身の絵とともに紹介されている生物はどれも見たことのない、誰も注目しないような生き物ばかり。
 独特の視点と語り口は、いかにもひねくれ者の理屈屋といった感じ。
 ただ、自分の食指が動いた対象をとにかく追い続ける姿は、とても好感がもてます。
 それに、なにより文章が面白い。
 いたるところで笑わせてもらいました。
 わたしは飽き症で何かにのめり込むということができないのですが、宮田さんのような旅にもの凄く憧れてしまいます。
 他の作品もどれも変なものばかりなので、また読み返したときに紹介したいと思います。
 みうらじゅんさんといとうせいこうさんの『見仏記』なんかが好きな方には、ぜひぜひお勧めの一冊。

 【お勧め度 ★★★★☆】                

「かもめのジョナサン」 リチャード・バック

かもめのジョナサンかもめのジョナサン
(1977/05)
リチャード・バック、Richard Bach 他

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 「骨と羽根だけだって平気だよ、かあさん。ぼくは自分が空でやれることはなにか、やれないことはなにかってことを知りたいだけなんだ。ただそれだけのことさ」

                 リチャード・バック 「かもめのジョナサン」


 かもめのジョナサンも有名な作品ですね。
 生きることではなく、飛ぶということにすべてをかける一羽のカモメのお話。
 そんなジョナサンはカモメ界の異端児で、群れを追い出されてしまうわけですが、それでもただ純粋にスピードのみを求め続ける姿はやっぱりかっこいいです。
 本書のところどころに挿入されている実際のカモメの写真も大好きです。
 自由に、一心に飛ぶ姿はドキッとしますね。 
 序盤はものすごくわたし好み――
 ただ、後半がよくわかりませんでした!
 でも、哲学的とか宗教的とか、そんな感じのが好きなかたはきっと最後まで理解できるのではないかと思います。
 なんとなくサン・テグジュペリと印象かぶるのはわたしだけでしょうか?

 【お勧め度 ★★★☆☆】                

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プロフィール

Author:すやすや
大好きな本について書いていこうと思います。
書評なんて大それたものは書けませんが、感じたことを少しだけ――
少しでも本選びの参考になれば、嬉しく思います。

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