本だけがお友達

友達が極端に少ないわたしの、本との交流履歴です。

「木洩れ日に泳ぐ魚」 恩田陸

木洩れ日に泳ぐ魚木洩れ日に泳ぐ魚
(2007/07)
恩田 陸

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 僕たちは笑う。
 カメラに向かって。将来この写真を見る自分たちに向って。決して自分の過去が悪いものではなかったと自分に言い聞かせるために。カメラに向かって笑う僕たちは、未来の僕たちと常に共犯関係にある。

                        恩田陸 「木洩れ日に泳ぐ魚」


 久々に恩田陸さんの作品を読みました。
 読ませるのが本当に上手いです。
 小出しにされる謎を追いかけていると、もう途中で止めることなんてできません。
 登場人物はたったの二人。
 明日別れる男女が最後の夜を過ごす。
 二人の視点で交互に描かれ物語が進んでいくのですが、微妙な関係の男女の緊張感、腹の探り合いがドキドキです。
 そこにさらに二人の過去も加わり――
 恩田陸さんの作品は、なんかホラーなんですよね(笑)
 一般的な推理小説とは違うので、消化不良になるかたもいるかもしれませんが、わたしはこういった感じも大好きですね。


「姑獲鳥の夏」 京極夏彦

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)
(1998/09)
京極 夏彦

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 「幽霊はいるよ。見えるし、触れるし、声も聞こえるさ。しかし存在はしない」

                         京極夏彦 「姑獲鳥の夏」


 京極夏彦さんのデビュー作であり、京極堂シリーズの一作目でもあり、わたしの大好きな本書。
 ジャンルは妖怪ミステリとでも言うのでしょうか、
 とにかく前代未聞!
 はじめてこの怪しげな本を手にしたときから、わたしは京極さんの世界に魅了されつづけています。
 題名や装丁からオカルトをイメージする方もいるかもしれませんが、そうではないんです。むしろ硬派だと思うのですが、どう言えばいいのでしょう――
 わかりません。
 説明がむずかしい本なんです。
 文章、論理、キャラクター、トリック、すべてくせが強くて、一度ハマったらもう抜けだせません。
 なんの説明にもなっていませんが、ぜひぜひ読んでもらいたい一冊。
 読んでもらえれば、この歯がゆい気持ちがわかってもらえると思います。
 星六つつけたいくらい大好きなんです!

 【お勧め度 ★★★★★】                

「黒猫の三角」 森博嗣

黒猫の三角―Delta in the Darkness (講談社文庫)黒猫の三角―Delta in the Darkness (講談社文庫)
(2002/07)
森 博嗣

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 動機は自由なのである。いかなる動機にも罪はない。簡単にいえば、人は皆、神様の指令をときどき受けるものなのだ、と思う。
 それに気づくか気づかないかの違いはあるが……。

                           森博嗣 「黒猫の三角」


 本書は、森博嗣さんのVシリーズ第一作目にあたります。
 森博嗣さんの小説はすべて読んでいると思うのですが、わたしはこのVシリーズが群を抜いて好きです。
 アクの強いキャラクターで押してくると思いきや、本格ミステリが中央でどっしりと構えている、そんな印象を受けます。
 黒猫の三角をはじめて読んだときは、かなり衝撃をうけました。なぜかは言えませんが、いろいろな意味で衝撃的な一冊だと思います。
 簡単に説明すると、那古野市で毎年ある法則にしたがい殺人事件が起きていて、それに関係する依頼が探偵である保呂草のもとに舞い込み、事件がはじまるというものです、が――
 もう言えません。
 本格ミステリが好きな方にはお勧めの一冊です。
 ミステリを読み慣れた方のほうが、きっと驚きは大きいと思いますよ。

 【お勧め度 ★★★★☆】                

「重力ピエロ」 伊坂幸太郎

重力ピエロ (新潮文庫)重力ピエロ (新潮文庫)
(2006/06)
伊坂 幸太郎

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 「思い違いかもしれないが、はっきりと聞こえたんだ」父は冗談を言うようでもなかった。「俺の頭の中に怒鳴り声が聞こえた」
 「神様が怒鳴るとは。何と言ってきたわけ?」
 「『自分で考えろ!』」
 「は?」
 「『自分で考えろ!』ってな、そういう声がしたんだ」
 私は吹き出した。「無責任にもほどがあるじゃないか」
 「だがな、考えてみると、これは神様の在り方としては、なかなか正しい」
 「そうかな」
 「俺は即座に決断した。自分で考えたんだ」

                         伊坂幸太郎 「重力ピエロ」


 伊坂幸太郎さんも、わたしの大好きな作家の一人です。
 軽快な文体に切なさと爽快感、ユーモアもわたし好みなのでとても読みやすく思います。
 姉いわく、「ちょっと狙いすぎな表現が多くない?」だそうですが、そんな詩的なところがわたしにはグッときてしまいます。
 重力ピエロは、泉水と春の兄弟の周りで放火事件が起こることではじまります。
 連続で起こる放火事件と、グラフィティアートの間に法則性を見いだし謎を追う兄弟。
 確信に迫るにつれ――
 ネタバレになってしまうので、あまり説明できないのですが、ミステリであると共に家族愛も描かれた一冊です。
 来年には映画化の予定もあるようなので、とても楽しみにしています。
 いま現在、伊坂さんの「死神の精度」が放映されていますね。
 見に行きたいなあ。

 【お勧め度 ★★★★★】                

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Author:すやすや
大好きな本について書いていこうと思います。
書評なんて大それたものは書けませんが、感じたことを少しだけ――
少しでも本選びの参考になれば、嬉しく思います。

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